はじめまして。会津マイホーム買い方辞典を運営している菊地智恵です。
私は福島県会津若松市の白虎隊で知られる飯盛山の麓の部落で生まれ育ちました。
小さい頃は、田んぼや畑ばかりののどかな地域で、テーラー(農機具)に乗せてもらって田んぼに行き、こびり(休憩)で食べるお菓子を楽しみにしていました。
中学高校になると、新しい道路が作られ、宅地やお店などが出来て、どんどん田畑が減り、風景が一変してしまうことをとても寂しいと思っていました。
実家の田んぼも住宅やコンビニが出来て、今はすべて無くなりましたが、買い物には便利な地域になり、ずっと実家暮らしの私はとても快適に暮らしています。
このページでは、ちょっと長くなりますがなぜ私が会津マイホーム買い方辞典を運営しているのかをお話ししていきたいと思います。
新築住宅の配管の仕事に関わる
高校卒業後は、地元のガス会社に就職をしました。その会社では最初に給排水設備の部門に配属になり、新築やリフォーム工事の際に、役所に申請するための給排水の図面を書く仕事に10年近く携わりました。
当時(平成5年頃)は毎日のように新たな新築の図面が届いていたので、今思えば、かなりの新築ラッシュだったと思います。
現場では多くの建築屋さんと出会いましたが、その中には勢いに乗ってガンガン受注件数を増やして売上を上げることに熱心だった会社も多くありました。
しかし、そういった会社は、現在は残っていません。その一方で地道に無理のない範囲で受注を受けている会社が残っています。
この経験から、どのような建築会社が信頼できて長く続いていくのかという感覚を養うことができました。
また、給排水設備の仕事をしながら、給水の配管工(現在は無くなってしまった資格です)、給水装置主任技術者、二級管工事施工管理技士などの資格を取得しました。
配管工は、メーターから蛇口までの5種類の給水給湯管を時間内に配管するものなのですが、“女には無理だ”と言われたのでムキになって受けた記憶があります。
毎日仕事が終わってからネジ切り(鋼管を接続するためのネジ山を作る)の練習をしました。その当時は、実務経験のいる資格で取れるものはすべて取得しておこうと思っていました。
現在、ネジ切りしたことはほぼ役に立ってはいませんが、水道や下水道の詳細が書かれている図面を読む能力を身に付けたことは非常に役に立っています。
お客さんの土地を探す時に、図面を読んで上下水道の引き込みが入っているかどうかや、配管が古くてやり直す必要があるかどうかなどを事前に判断できるので、追加費用の有無やかかる費用の予測を立てることができています。
今でも給水(水道)と下水道・浄化槽のことになると語りたくなり、土地を見る時も宅内引き込み管の新旧や前面道路の配水管の太さがとても気になります。
自分で土地を販売することもあるのですが、販売する土地の水道引込管も古い場合は気になってしまうので、道路掘削して引込し直し、長持ちする管にしてから売るようにしています。
今の仕事へ繋がる転職
その後、給排水設備の部門から異動し、リフォーム部門で5年、不動産部門(賃貸)で1年働いていました。
不動産部門ではわずかな期間でしたが、不動産取引の基礎を学べたことや、賃貸物件の紹介や契約業務などを通して、直接お客様の要望を伺って提案するという仕事の楽しさを味わうことが出来ました。
お客様に物件を選んでもらえるととてもうれしくて、自分の力でお客様の役に立つ仕事がしたいと強く思うようになったきっかけでもありました。
その後、もっと自分の判断でお客様に寄り添える仕事が出来るように独立したいと密かに思いながら、資格取得を目指して勉強していた時に、憧れていた司法書士の先生が、住宅ローンの会社を立ち上げると聞いて、思い切って転職しました。
その会社は、フラット35(金利が変わらないタイプの住宅ローン)の取り次ぎを行う会社で、これから住宅ローンを組んで家を建てたいという方がお客さんでした。
当時の私は、フラット35が何なのかもさっぱりわからなかったのですが、数ヶ月東京で研修を受け、基礎を身につけました。
でも今思えば、住宅ローンを受付して契約してもらうという部分のみの内容で、お客様の将来の住宅ローン返済のことや家計のことについての話は無かった研修でした。
本当に住宅ローンを返せるのか?
2年間住宅ローンの取り扱いを経験させてもらったのですが、その間に、知人が新築するからと住宅ローンの相談に来たことがありました。
相談をしてみると、転職したばかりで勤続年数が短期間だったため、ご主人の収入では借入れが足りず、パートの奥様と収入合算をする必要がありました。
そうなると、結果として何か家計に問題があった場合は住宅ローンの返済が難しくなってしまうのですが、知人は家を買いたいという思いが強くそのことは全く気にしていない様子でした。
その様子を見た時、私の心の中に大きな不安がこみ上げてきました。
「これから35年、住宅ローンを本当に返していけるのかな・・・?」
という不安です。
それまでは、立ち上げてばかりの会社ということで一生懸命に営業をしてお客さんを増やすことばかり考えていましたが、家族構成や仕事のことなどを知っている知人の相談に乗った時に、
“住宅ローンを組んだ後の生活や家計のことも考えないと大変なことになってしまう”
ということに現実味を強く感じたのです。
その時から、今までやってきた、借入可能額だけを計算して事前審査の受付をすることが間違っているのではないか、と不安にしか思えなくなりました。
住宅ローン会社の立場から言えば、売上を上げるには住宅ローンをいっぱい組んでもらう方がいいわけです。
でも、お客様の立場に立った時に、税込み年収から機械的に計算した『借りられる枠』をめいっぱい借りて大きなローンを抱え、毎月の返済に追われながら35年暮らすとしたら・・・
それは、家は建ったとしても果たして幸せなのだろうか?
と疑問に思うようになります。
それと同時に、住宅ローンを組む時にきちんと無理のない住宅ローンのアドバイスが出来る人が必要ではないだろうか?と考えるようになりました。
そんなことを思っていた時に、金融関連の資料でファイナンシャルプランナーの方が作ったライフプランシミュレーションを見かけます。
それは、一生涯の金融資産(預貯金額など)がグラフになっていて、何歳の時にいくら金融資産があるのかが一目でわかるようになっている、今思えばいわゆる一般的なライフプランシミュレーションでしたが、私はそれに雷に打たれたような衝撃を受けました。
“今までローンを組んでもらったお客様全員にこのライフプランを作ってもらってからローンを組んでいたとしたら、返済で不安になる方を減らせたはず”
と思い、ライフプランを作ることの重要性を伝える仕事がしたいと強く思います。
それをオーナーだった司法書士の先生に伝えたところ、「これからはファイナンシャルプランナーが必要になる時代だから、FP事務所を作りましょう」と言ってくださり、住宅ローンの事務所はFP事務所に生まれ変わることになります。
あいFP事務所での活動
このような経緯で2014年4月にあいFP事務所として、オーナーだった先生の事務所の隣に店舗を作ってもらい、そこで1年半ほど活動をします。
でも、ファイナンシャルプランナーって何をしてくれる人なのかをうまく伝えることが出来ないまま時が過ぎ、なかなか軌道に乗せることはできませんでした。
そんな私に給料を払い続けてくれる先生に申し訳なく、いつまでも迷惑も掛けられないと思い、売上げが月3万位の頃に、思い切って独立します。
不安などは特に無く、私がお客様にとことん寄り添い、私に頼んでよかったという方を絶対に増やすという思いと勢いだけで、法人化して独立をさせてもらいました。
独立をする前は、お金の不安を取り除きたいという思いで、お金のご相談を何でも受けていました。
しかし、独立後は住宅ローン取扱時に思っていた、ローンを組む時にライフプランをしっかり作って、アドバイスを出来るようになりたいと思い直し、住宅購入に特化したファイナンシャルプランナーとして相談を受けるようになりました。
住宅購入専門としてアドバイスをさせてもらうようになってからは、徐々に私のやりたいことを理解してくれる方が増え、住宅取得のお金のセミナー開催や、タウン誌のコラムなどをきっかけにおかげさまで多くのお客様にお越しいただけるようになりました。
相談に来られた方からは、
「自分たちの生活の状況や今後のことを考えて、きちんと購入しても良い家の金額を教えてくれた上でサポートしてくれるのが嬉しい」
という喜びの声をいただくことが多いです。
もっとお役に立ちたいという思いから不動産業も始めました。ただ土地や住宅を売ることだけに集中するのではなく、事前に購入しても大丈夫な金額を明確にした上で予算に合った物件を紹介するので、お金のことで失敗するリスクを大きく減らすことができています。
住宅取得では、土地・建築屋・住宅ローンととても大きな選択をする場面がいくつもあります。その度にいつも心がけていることは、私もお客様の家族の一員になったつもりになり、一緒に最善を選択することです。
また、もう1つ私が心がけていることがあります。
それは、住宅購入の不安をわくわくに変える、ということです。
自分が住む家であれば、信頼出来る建築屋さんに建ててもらいたいですよね?
自分が組む住宅ローンであれば、安心して返済していける住宅ローンを選択したいし、老後お金に困るようなことにはなりたくないですよね?
こういった願いを住宅購入の専門家という立場からアドバイスをすることで叶えていく。それができれば、住宅購入の不安はわくわくに変わります。
しっかり寄り添わせてもらうことで、感謝の言葉をいただけることはとてもうれしいのですが、マイホーム完成後も入園入学の節目にお子さんの写真を送ってもらえたり、お二人目のお子さん誕生の連絡をもらったり、ずっと連絡をくださる皆さんとの関係がとてもうれしくてたまりません。
会津マイホーム買い方辞典の立ち上げ
ただ、1つ気になっていることがありました。
それは、私ひとりでサポート出来るお客様の人数にはどうしても限りがあるということです。
私はマイホーム完成後も笑顔が続く方を増やしたいと思って活動していますが、すべての方に直接アドバイスをすることはできません。
そんな状況の中、どうやったら私が今まで培ってきた経験や知識を活かして1人でも多くの方に不安のない、楽しい住宅購入を実現してもらうことを考えた結果、
『会津で家を買う時に知っておくべき知識をわかりやすくまとめたブログを作る』
というアイデアを思いつきました。
それが、この「会津マイホーム買い方辞典」です。
まず何から始めたらいいのか?土地を選ぶ時に気をつけることは何だろう?など、これから家を買う時に思い浮かぶ疑問に対する答えを詰め込んで、会津でマイホーム取得する方を、失敗しない方だけにしたいと思っています。
会津マイホーム買い方辞典で伝えたいこと
会津マイホーム買い方辞典には、
- 私と直接会わなくても、家を買う時に始めに何をするのか、注意点はどこかなどがわかり、楽しくマイホーム計画を進められるようになって欲しい
- 土地決め、住宅ローン、建築屋さん選びなど、選定基準が難しいし、やることもいっぱい、専門用語も多いので、選び方や注意点をわかりやすくお伝えしたい
- マイホーム購入は通過点でしかないことをわかってもらい、買った後も快適でお金の不安もなく、家族みんなが“この家を買って良かった”と思えるようになって欲しい
- 念願のマイホームに住む方々の嬉しそうな笑顔をたくさん増やしたい
そんな思いを込めています。
このブログをじっくり読んで頂くことで、将来的に無理のないマイホーム購入の仕方、会津で実際に活動している不動産屋目線での情報、金融機関や建築屋さんなどの販売側の立場からは聞けないことを知ることが出来ます。
ぜひ会津で家を買うことを考えているのなら、会津マイホーム買い方辞典を読むことからスタートしてください。