家を買う前は家計見直しの絶好のタイミング

普段生活していると、家計を見直したい、見直ししなきゃと思う事はあっても、何となくやり過ごしてしまったり、思うように見直せなかったりしたことはありませんか?

普段はなかなか難しくても、人生の節目となるような住宅購入という大きな出来事が目前に迫っていれば、話は違ってくるのではないでしょうか。

今までの家計を見直して少しコンパクトにすることが出来れば、住宅購入の予算を増やすことが出来て、新居に付けたい設備を我慢することが無くなったり、住宅ローン返済中にも教育費や老後の準備がしっかり作れることで、資産に余裕が出来てきたりします。

住宅を購入する前は、今までの家計を見直し出来る絶好のタイミングなのです。

では、いつどのように家計見直しをすればいいのかをお伝えしていきます。

まずは今の「収入」と「支出」の正しい把握

住宅購入を検討した時に、「まずは住宅に掛けてもいい予算を把握することが重要」ということはお伝えした通りです。

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住宅に掛けてもいい予算を把握するには、現在の「収入」と「支出」を確認することからスタートしていきます。

まず「収入」ですが、

・会社員の方の年間の総支給額(税金や社会保険料が引かれる前)は源泉徴収票の支払金額の欄

・毎月の支給額や手取り(振り込まれる額)は給与証明書の支給額の欄

に記載があります。

支給額から給料天引きにしているものは何か、住宅手当など今後住宅を持ったら支給されなくなるものはあるか、毎年の昇給額、季節での変動などを年間(源泉徴収票)と月ごと(給与明細)から確認して、現在と今後の収入を把握していきます。

次に「支出」ですが、こちらは、収入の源泉徴収票や給与明細のように見ればわかる、という書類がありませんし、もらったお給料をどのように使うかは基本的にそのご家庭の自由です。

毎月何にどのくらいお金を使っているのかは、食費・光熱費・日用品費・などの費目ごとに分けて把握していきます。

毎月家計簿や、アプリで把握している方は、何ヶ月分かの記録を見れば、食費は平均月6万円、光熱費は年間で平均すると1万円かな、と確認が出来ると思います。特に記録をしていない場合は1ヶ月間、レシートからざっと計算する程度でいいので、書き出してみます。

重要なことは、「実際と合っているか」です。書き出してみたら、毎月赤字だった場合、今後少しずつ改善していけばいいだけですし、その事実を今回把握出来るだけでもいいので、ありのままの数字を出してみてください。

もし、支出の書き出しがざっくり過ぎて実際と違う内容だった場合、本当は2,500万円の住宅が上限なのに、3,500万円の住宅が余裕で買えるというまったく違うプランが出来上がることになります。

これでは作る意味が無くなってしまうので、実際と即した支出を出してもらうことはとても重要です。

支出の書き出しをするべき費用

支出の書き出しをするときの費目について説明します。

まずは基本生活費についてですが、基本生活費とは、

・食費(外食費含む)

・日用品(シャンプー、洗剤、オムツなど)

・通信費

・水道光熱費(季節により差があるので、1年の平均額)

・ご夫婦お二人のお小遣い

・医療・美容費、レジャー費等

の部分です。

毎月の生活で必ず必要で、使い方により毎月変化がある部分です。

基本生活費に含まれないのは、アパート家賃、学校・幼稚園などのお子さんに掛かる部分、車の費用(ガソリン、車の保険、カーローン)、生命保険、奨学金返還等です。

基本生活費の平均は?

ご相談に来られるご家族の家計を拝見すると、ご夫婦と小学生以下のお子さんおひとりかお二人というご家族構成の方が多いのですが、その平均の基本生活費は16~18万円に入る方が多く見られます。

ご両親と同居などで家族が多ければ、20万円を超えている方もおられますし、家族構成や地域差もあると思いますが、家族4人で15万以下という方もおられるので、やりくりで差が出ます。

書き出す時点で食費多すぎ、などを判断するものではなく、重要なことは「何にどのくらい使っているのか」を現時点で把握することです。

1か月の家計を書き出してみて、4人家族で基本生活費が20万円を超えているという場合は、食費が10万円近い、光熱費が4万円超、通信費が3万円超など、どこかが突出している可能性があります。

食費について

もし食費が多いという場合は、外食の回数が多いことが要因なのか、食材やお菓子を一度に買う量が多いのか振り返る良い機会です。

外食の頻度を5回から4回に減らすことは可能か、1週間の食材費の上限を決めて買い物することは可能か、など、取り組めるか確認していきます。ポイントは“一気に”ではなく、「少しずつ」と「続けること」です。ダイエットにも似ていますね。

光熱費・通信費について

光熱費は新居に移れば、アパートで使っていたガスや灯油を使わなくなるので、その分の負担が減ったり、断熱性能が上がることで冷暖房の費用負担が減る可能性があります。

新居の広さや、冷暖房のシステムにもよるので、建築屋さんと断熱材やランニングコストの打合せは重要です。

通信費は、プランを変えたり、格安スマホへの変更は可能か検討してみてください。

基本生活費以外で見直しが可能なもの

基本生活費以外の部分では、生命保険が見直し可能な部分で。

住宅ローンを組む時の保険(団体信用生命保険)に加入した後に見直しをした方が保障部分の無駄を省いたり、住宅ローンの毎月返済額や他の支出とのバランスを取って、毎月支払う保険料を調整しながら選択出来るので、住宅購入より先に見直す必要はありません。

車について

次に車ですが、会津では一人1台持っていて当然、生活出来ないと思ってしまいますが、本当にそうか一度考えてみてください。

車は車両購入費が掛かることはもちろん、ガソリン・車検・オイル交換・タイヤ・保険で年間維持費は軽自動車でも20万、普通乗用車で30万程度掛かります。

一生涯一人一台ではなく、共有できる時期は一台でやりくりできると資産状況が一気に変わることがあります。

1万円の削減でも大きな効果

住宅購入時に家計見直しをすることで、例えば1万円の基本生活費を減らすことが出来た場合、年間12万円、10年で120万円、20年で240万円を他に充てることが出来ます。

今までの家計を見直してコンパクトにすることが出来れば、このような効果が得られます。

  • 住宅購入の予算を増やすことが出来る。
  • 増やした分でカーポートを設置して雪片しが楽になる。
  • ウッドデッキを作って家族団らんの場が増える。
  • 断熱性能を上げて、より光熱費が下がる。
  • 資金に余裕がある分、教育費や老後資金をしっかり作ることが出来る。

毎月の積み重ねが一生涯の貯蓄額に与える影響は大きく、老後に残せるお金に数百万の違いが出ることも多くあります。

ぜひ住宅購入前に一度家計の見直しを行いましょう。